音楽:私的邦楽シューゲイザー名曲10選




今回は私の好きな音楽ジャンルであるシューゲイザーについて。

まずは邦楽編として個人的名曲10曲をご紹介させて頂きたいと思います。

シューゲイザーというニッチなジャンルではありますが、比較的メジャーなアーティスト中心になっています。

もちろんインディーズにもいいバンドはあるんですけど、「シューゲイザー以外の音楽にもバックボーンがあるアーティストのシューゲイザーな曲」が私は好きです。

目次

AIR「Hair do」

個人的に不動のNo.1シューゲイザー。

儚く憂鬱な車谷氏のボーカルとノイジーなギター、延々と響き渡るフィードバックノイズとシーケンシャルのループが絶妙に融合してます。

TRIBEのPayphoneという曲のパクリと言われていますが、サビ部分のメロがまんまなので、その通りだと思います(笑)

でもこの曲より心地良いシューゲイザーって無いんですよね。

この辺りは好みの問題だと思いますが、車谷浩司の声とシューゲイザーの親和性は最高です。

My bloody valentineのパクリという意見もありますが、こっちに関してはインスパイアの範疇で、これでNGならマイブラ以降の幾多のシューゲイザーバンドは殆どがマイブラのパクリバンドになるでしょう(間違ってはないですが)。

インスパイアとパクリの境界線って難しいんですけど、個人的にはどっちでも良いですね。

「パクリでも何でも良いから良い曲作ったもん勝ち」だと考えているので。

monocism「ハルガスミ」

セルフタイトルの1stアルバム「monocism」収録。

monocismはシューゲイザー・ポストロック・アンビエントといった洋楽主義的なジャンルに日本的なエッセンスを取り入れるのが上手いバンド。

このハルガスミという曲もそう。

エフェクトの効いた壮大なギターリフから始まる楽曲は確かに洋楽の影響を感じつつも、歌詞は全て日本語で曲調もあくまで和的なシューゲイザー。

音の端々から、美しい日本の風景が思い浮かぶような名曲。

この辺りはおそらく、作曲をしているギター・ボーカルの松浦友也さんのベースに日本の歌謡曲への憧憬もあるんだと思います。

ボーカルの松浦友也さんはYUKIやマイラバに楽曲提供している程には作曲家としての才能もありますし、ギターの北村氏も専門学校でギターの講師などをされているようで、バンドとしてのポテンシャルはシューゲイザーバンドとしてはかなり高いと思います。

ただ、monocismはシューゲイザーバンドとして括られていますが、ポストロック・アンビエント要素も多いです。

一時期フジロックに出たりして精力的に活動していたんですが、あまり話題になることなく結局、活動休止となってしまいました。何故売れなかったのか本当にわからない程良いバンドなんですけどね。

何度かライブを観たことがあるんですが、演奏力・音作り共に高水準ですし、音像に包み込まれるような感覚になって爆音なのに聴いていて心地が良い。

中には歪ませたギターにリバーブとディレイかけて爆音出してるだけなシューゲイザーバンドがいますが、monocismの音はそれらとは一線を画した、包み込まれるような心地よさのある轟音です。

SPIRAL LIFE 「nero」

3rdアルバム「FLOULISH」収録。

スパイラルライフはシューゲイザーを知るきっかけとなったバンドです。

この曲がmy bloody valentineのsometimesという曲のオマージュということを知り、そこからシューゲイザーというジャンルにのめり込みました。

スパイラルライフに出会っていなければ、my bloody valentineという素晴らしいバンドを知ることもなかったかもしれないし、シューゲイザーという音楽にのめり込むこともなかったと思います。

曲に関しては、抽象的で儚い歌詞と車谷浩司の透き通ったボーカルに、しとしとと降る雨のようなディストーションギターが印象的で、同アルバム収録のリード曲であるgarden程のクオリティはないものの、シューゲイザー入門としては最高の一曲です。

Nels「White Clover」

monocismの松浦友也さんのソロ・プロジェクトであるNelsのセカンドアルバム「Sprout」収録。

冬の息吹を感じるようなアンビエント・シューゲイザー。

冷たく無機質で中性的な松浦さんのボーカルは、冬の風景にとても合うと思います。

Nelsは曲調というよりはアプローチの仕方でSigur rosからの影響を感じる、アンビエントな路線のプロジェクトです。

Sigur rosは厳しく雄大なアイスランドの環境を音楽として表現したバンドですが、Nelsは四季のある日本の美しい風景を音として表現しているプロジェクトと言えると思います。

残念ながら動画は見つからなかったので、別の曲を貼っておきます。

1stアルバム「Circulation」収録曲。

こちらも素晴らしいアンビエント・シューゲイザー。

Nelsはシューゲイザー好きよりアンビエントが好きな人におすすめです。

岩瀬敬吾「明日の出来事」

同タイトルのアルバム「明日の出来事」収録。

岩瀬敬吾といえば、1990年代後半から2000年代前半まで活躍した19(ジューク)のイメージが強いと思います。

ソロになってからも青春フォークシンガーしてるのかと思いきや、以外とシューゲイザーやガレージなどのインディーロック路線の曲を作ってます。

個人的には外れ曲も多く、アルバム単位で好きな一枚はないんですが、ハマる曲はハマります。

イントロのギターからもろにマイブラのsoonのオマージュで、日常を穏やかに歌った良質なシューゲイザーです。

この曲以外にも日本シューゲイザー界の重鎮cruyff in the bedroomのカバーアルバムに参加していたりと、意外にもシューゲイザーに造詣があるようです。



Coaltar of the Deepers「Good morning」

5thアルバム「NO THANK YOU」収録。

女性ギタリストのイチマキが在籍していた最後のアルバムの収録曲で、ナラサキとの男女ツインボーカルが心地良いです。

歌詞に関しては若干中二病チックなので好みが分かれますが、メロディの美しさと轟音の対比はまさに王道的なシューゲイザー。何となくサブカル好きな女子に受けそうな曲です。

このライブ版は照明の具合といい、良い感じにシューゲイズしてます。

ゆらゆら帝国「無い!!」

スタジオ版は「ゆらゆら帝国のしびれ」ライブ版は「な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い」収録。

この曲は凄いです。

坂本慎太郎のギタリストとしての実力と、バンドの一体感から生み出されるパワーが。

変則的なループのギターリフが印象的ですが、普通のバンドならシーケンスかルーパーを使ってバックで流してコード弾きしながら歌う所、リズムが狂うことなくギターボーカルしてます。

そして、途中からはライブ版で聴いても爆音さが伝わってくるノイジーで壮大な展開に。

3ピースでこの音圧出せるバンドは間違いなく日本のシューゲイザー界隈にはいないでしょう。

スタジオ録音だと後半の畳み掛けるような轟音が味わえないので、断然ライブ版の音源をお勧めします。

Dragon Ash「Lily of da Valley」

Dragon Ashは中学生の時に聴いた「viva la revolution」というアルバムが衝撃的で、音楽を好きになるきっかけとなったバンドの一つです。

この曲がシューゲイザーとして扱われることってほぼ無いと思うんですが、バックのループしているシーケンスとウィスパーしてるボーカル具合から、明確にシューゲイザーを意識して作られた曲だと思います。

AIRに影響を受けたと思われる、この頃の降谷建志の優しく穏やかなウィスパーボイスはとても心地良い。

あと何と言っても美メロ(笑)なので、降谷建志のソングライティング能力はやはり高いと思います。

Dragon Ashはこの曲以外にもmorrowなど、シューゲイザーのエッセンスを取り入れた曲があるんですが、リスナーの層が全然違うので、シューゲイザー好きの間では話題にもならないのが残念な所です。

8-bit版しか見つかりませんでしたが、意外と良いです(笑)

Plastic tree「Thirteenth Friday」

マイブラを意識して作られた曲とのことですが、イントロのコード進行はAIRの「Hair do」と全く同じで(キーは違いますが)、個人的にも耳馴染みの良い王道なシューゲイザー。

マイブラの「i only sad」+AIRの「Hair do」なんですけど、パクリな感じはあまりしません。

ある意味完成されてしまっているジャンルとも言えるので、似てきてしまうのは仕方ないのかもしれません。

V系に興味は無いのでPlastic treeはこの曲以外聴きませんが、シューゲイザーバンドとしてのポテンシャルは高いと思います。

MVも格好良い。

L.E.D「I’ll (feat. Ikuko Harada)」

クラムボンの原田郁子とインストバンドL.E.Dのフィーチャリング曲。アルバム「I’ll」収録。

ドリーミーで洒落感のある曲です。

monocismのライブに行った際、曲間のDJが流していて知った曲なんですが、クラブで流れてたらいい感じにトリップできそうな浮遊感があります。

シューゲイザーというよりはドリームポップに分類したほうがしっくりくるかもしれません。

洋楽編はこちら。



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