リジッドのジーンズは穿く前に糊落としする派と、糊落としせずにリジッドのまま穿き込む派に分かれると思います。

メーカーによっても推奨が異なる場合もありますが、ただ一つ言えることは糊落としする・しない問題について正解はないということ。

どちらが正しいということはありませんが、それぞれにメリット・デメリットがあるのでまとめてみました。

 

目次

糊落としせずリジッドのまま穿くメリット

リジッドとは英語で rigid [硬い、硬直した] といった意味があります。

一般的に言われるリジッドデニムとは、ジーンズの製造工程で付けられた糊がついたままになっている、糊の硬さが残っているデニムのことです。

 

ヒゲやハチノスなどのアタリが付きやすい

硬いということは、着用した際に動きが出る部分にシワが寄りやすいということ。

一般的にデニムの色落ちは負荷がかかる部分から進んでいきます。

皺が入るということは生地が折り曲げられて負担がかかっているということになります。

糊はデニムを織りやすくするために糸につけられており、洗濯糊のように生地の形状とハリを保つ効果があります。

糊付きのまま穿くということは、着用することによって可動部に着いたシワが汗や湿気といった水分と反応して糊が溶け出る→再び乾いて強固なシワとなって固定化されやすくなると言って良いでしょう。

また、インディゴで染められた糸は芯まで染まっていないため、摩擦などの負荷がかかることで剥がれるように染料が抜けていきます。

皺の入った状態で繰り返し着用すると、生地が折れ曲がって部分的に高負荷がかかり、削れるようにインディゴの染料が抜けていきます。

 

糊がついていることによる艶感がある

これは見た目の問題になってきますが、糊がついていることで独特のツヤ感が出ます。

糊がついていることで青みが抑えられているのもリジッドの特徴です。

個人的にはリジッドデニムのツヤ感・質感は好きです。

引用:A P.C. STORE

 



糊落としせずリジッドのまま穿くデメリット

リジッドで穿き込んで定着したアタリがワンウォッシュした際の縮みでずれてしまう

最近のデニムは防縮加工がされている物も多く、非防縮のデニム程、大きな問題にはなりませんが、防縮加工がされていても多少なりとも縮みは出てしまいます。

縮みが大きいと、せっかく定着したヒゲやハチノスといったアタリがズレてしまう恐れがあります。

個人的な経験則ですが、防縮加工されているデニムであればこの点は気にしなくて良いと思います。

 

ロールアップすると折り癖が入った部分から生地にダメージを与えてしまう

かなり穿き込まないとヒゲやハチノスから破れてくることはありませんが、リジッドの状態でロールアップしていると、折り返し地点の生地に負担がかかり、最悪破れてきてしまいます。

裾上のダメージのリペア前

引用:https://gamushara200r7.com/case/2181.html

リジッドに限った話ではありませんが、折り癖からのダメージを避けるためには穿き終わったらロールアップを戻しておきましょう。

 

糊がついているため生地が硬く、穿き心地が悪い

これは想像に難くないと思います。

ヘヴィオンスのデニムだと、ただでさえ分厚く硬い生地が糊によって固定されてしまうため、穿き心地は悪くなります。

ブランドによってはリジッドのまま履いていても硬さがあまり気にならないデニムもあります。

 

糊落としをしてから穿くメリット

これは基本的にリジッドから穿くメリット・デメリットの裏返しになります。

 

水を通すことで縮みが出ているので、穿き込んだ際にアタリがずれる心配がない

一回の洗濯で縮みきらない物も当然ありますが、ファーストウォッシュ時が最も縮むため、糊落とし後のアタリのズレに関しては気にする必要はないかと思います。

 

ロールアップして着用しても折り癖から生地が痛みにくい

個人で行う糊落としの方法によっては完全に糊が落ちていないケースがありますが、リジッドの状態に比べると多少は生地が馴染みやすくなります。

私は基本的にロールアップをしてジーンズを着用するので、この点はメリットとして大きいですね。

 

少し話は脱線しますが個人的に注意していることがあります。

それは、リジッド〜ワンウォッシュくらいの硬さの残ったデニムを穿く際は雨の日にロールアップをしないことです。

糊が残った状態でロールアップ部分が濡れてそのまま乾燥してしまうと、水分+糊の効果によって強力に折り癖がついてしまいます。

そこからロールアップの折り返し跡のアタリが生じてしまう可能性があるので、私は雨の日のロールアップは注意しています。

それもデニムの味だと感じる人にとっては全く問題ありません。

 

糊落としをしてから穿くデメリット

リジッドに比べるとヒゲやハチノスといったアタリが付きにくい

正直、ヒゲに関しはワンウォッシュで普通に穿いていても出てきますが、膝裏のハチノスと呼ばれる色落ちはなかなか出にくいです。

ワンウォッシュの状態からしっかりとハチノスを作りたい場合は、洗濯回数を減らすか糊付けの儀式を行う必要があるかもしれません。

 

糊を完全に落としきってしまうと、インディゴの青みが強く出てしまい他のアイテムと合わせ辛い

糊の艶感が完全に失われると、インディゴの青みが出てきます。

色落ちが進んでいない状態でインディゴの青み強くが出てくると、少しのっぺりとした印象になってしまうこともあります。

引用:https://store.shopping.yahoo.co.jp/gb-int/vf-lev-501-0000-0115.html

個人的には上記引用画像の中間くらいの色味を狙って糊落とししています。

 

リジッドデニムの糊落としについて

ご参考までに、私がしているリジッドデニムの糊落としの方法をご紹介します。

 

①デニムを裏返した状態で40℃程度のぬるま湯に30〜40分程浸けておく

②洗濯機の手洗いモードで洗剤を使わずに洗濯・脱水

 

特に変わったことはしていませんが、個人的に気をつけているポイントは一つ。

糊を少し残した状態でワンウォッシュを仕上げることです。

これだと糊が完全に落ちきらず、表面に少し白っぽく糊が浮き出ることがありますが、少し擦れば消えるので目立つことはありません。

メーカー側で製品洗いをかけてワンウォッシュしたものに比べると、適度な糊の艶感と硬さを楽しみながら穿き込んでいけるため、リジッドとワンウォッシュの中間のような履き心地と生地感を楽しむことができます。



まとめ

リジッド、ワンウォッシュのそれぞれのメリット・デメリットをまとめてみました。

私はやはりロールアップした際の生地の痛みが気になるので、どちらかというと上記の方法で軽めにワンウォッシュしてから穿く方が好きです。

 

デニムの糊、落とさず穿くか、落として穿くか

結論が出ることのない、デニム好きの永遠のテーマと言って良いでしょう。



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