音楽:AIR 「AIR」レビューと元ネタ解説




AIRとは元BAKU、元spiral life、現Laika came backの車谷浩司によるソロプロジェクト。サポートのBass 渡辺等 Drum 佐野康夫は活動後期までほぼ固定メンバーとして在籍していたため、実質メンバーと考えて良い。

もし、一番好きなアルバムを挙げろと聞かれたら、私は迷うことなくAIRの「AIR」と答えます。

個人的に車谷氏の全盛期はspiral life〜AIR初期(1998年くらいまで)だと思っていて、その中でもAIRの「AIR」に関しては別格。

ジャンル的にはfunk, jazz,grunge,garage,dream popをごちゃ混ぜにした感じ。

4曲入りのミニアルバムだが、その全曲に元ネタがある。多分、ここが賛否分かれる所。分かりやすいオマージュが苦手な人はきっと受け付けないと思います。

特にSoul Coughing、NIRVANA、SwirliesなどのUSオルタナ、インディーズバンドや、My bloody valentineのlovelessを意識したジャケからも分かる様にshoegazerやdream popの色も強く感じられる。

以下、全曲解説してみました。

目次

#1  A・I・R

まんまSoul Coughing(笑)な曲。車谷がいなければSoul Coughingという素晴らしいバンドに出会うこともなかったでしょう。

こんなキレてる曲、オリジナルで作ることができたら変態ですよね。

#2  Are You Sleeping Brother John?

英語圏の童謡+SwirliesのVigilant Alwaysという曲が元ネタだと思われる。

構成としては2コードでかなりシンプルな曲。しかし、フィードバックギターのハウリングの使い方やフェイドアウトのタイミングなどが絶妙で、単調さを全く感じさせない。

抽象的で儚い歌詞や、この頃の車谷の中性的な歌声とも相まって、美しく幻想的な曲になっています。

美しさと狂気を感じる、名曲中の名曲。

#3  Lucy can you see orion?

AIRで最も好きな曲。NIRVANAのin bloomのパクリだと言われて終わることが多い曲ですが、メロディーに関しては完全に別物。

佐野康夫のラフなドラムと車谷のフィードバックギターで始まるイントロは何度聴いても格好良い。渡辺等のベースもゴリゴリで、演奏の激しさと車谷の儚いウィスパーボイスとの対比が最も顕著な曲だと思います。

ジャンル分けするとするならば、dream pop meets grungeな感じ。この普通は混ざることのないジャンルが混ざってしまった様な、絶妙なミックス感が大好きです。

#4  24 years old

この曲もかなりSoul Coughing色が強いですね。佐野康夫のドラムも最高ですが、渡辺等のウッドベースがキレまくってます。全盛期のライブを見ることができたら間違いなくぶっ飛ぶことができるでしょう。

いずれはアナログ盤も欲しい。



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