今回はジャズとファッションについて考察してみたいと思います。
ディオールオムやサンローランで一世を風靡したトップデザイナーである、エディ・スリマンがCELINEのデザイナーとしてモードの世界に戻ってきたこともあり、大手メゾンを巻き込んだストリートファッション・ムーブメントも一段落すると考えられます。
トラッド・ファッションのようなクラシック回帰が起こると面白いな〜と思ったりするのですが。
トラッドはモードの対極とも言え、流行にとらわれずに長く着用できるのが魅力。
アメリカン・トラッドの代表的なブランドといえばブルックス・ブラザーズですが、ブルックスのスーツはジャズのレジェンド、マイルス・デイビスも愛用していたそうです。
その影響もあってか、当時のジャズマンにはブルックスの服が好まれていたみたいですね。
コレクションから垣間見る:ジャズを取り入れたファッション
ジャズっぽいファッションというと、やはりクラシカルなフィットのスーツスタイルでしょうか。
コレクションブランドのルックからそのエッセンスを探ってみましょう。

コムデギャルソン・ジュンヤワタナベマン 2015awでは1940〜60年代のジャズマンがテーマ。
クラシカルなデザインのジャケットスタイルを現代的なフィット感で表現。
こちらのルックはタイトなサイズ感やアイテムの合わせ方など、ジャズというよりテッズの要素が強い。
ちなみにテッズは1950年代にイギリスで流行したスタイルで、モッズがイタリアのファッション・スタイルを目指したのに対し、テッズはアメリカのスタイルを目指していたようです。


n.hoolywood 2018ssコレクションではアメリカの元大統領、ジョン・F・ケネディがテーマ。
1950〜60年代当時を彷彿とさせるアメリカ的な世界観のファッションはやはりジャズとマッチします。
ジャズスタイルを踏襲したようなスーツスタイルが現代では新鮮ですね。
セミダブルのようなコンパクトなサイズ感のジャケットと、ともすればサルエルパンツになりかねないようなシルエットのスラックスが絶妙にマッチしてます。
このルックのようなスーツスタイルは個人的にも注目しています。
ジャケットをセットアップとして着用する場合、スニーカーを合わせて外すのが今の主流ですが、スラックスの形と丈感で外すスタイルも良いですね。


こちらはレディースですが、アンダーカバーの2017ssはジャズピアノの名手ビル・エヴァンスのアルバム「Portrait in Jazz」がテーマ。
アルバムのジャケットが前面にプリントされたワンピースが素敵。
着こなすのはややハードルが高いかもしれませんね(笑)


コレクションのフィナーレではビル・エヴァンスを彷彿とさせるようなヘアスタイルとスーツスタイルでジャズの世界を表現。
今のファッションの流れを見ていると、このルックのような渋めのファッションが来てもおかしくは無いですね。

ネペンテスの清水氏が手がけるブランド needlesでは、マイルス・デイビスをイメージしたその名も「マイルスジャケット」を定番で展開しています。

こちらもマイルスジャケットのスタイリング。ジャズスタイルは足元は外さずに革靴の方がクール。
ジャズマンから垣間見る:リアルなジャズ・ファッション
ジャズマンたちのファッションをチェックして、リアルなジャズ×ファッションスタイルを見てみます。

http://kitakuvocal.com/fashion06.html
60年代のマイルス・デイビス。
マイルス・デイビスはサウンドだけでなくファッションへの拘りも相当なもので、着ているスーツはオーダーメイドが中心だったようです。
菊地成孔氏によると、トランペットを構えた状態で最も美しいシルエットになるように、採寸の際もトランペットを構えて行なっていたとのこと。
一般人にはまず真似できません(笑)

http://jp.tunes.zone/artist-lounge-lizards-soundtracks-41653
lounge lizardsの1stアルバムのジャケ写より。
ナロータイにスラックスとシャツというシンプルなスタイル。ジャケットを羽織っていなくてもジャジーな雰囲気を醸している。
半袖シャツでも、ジャズマンがタイドアップすればそこはかとなくジャジーな雰囲気が漂います。
ラウンジリザーズは奇才ギタリスト、アートリンゼイが在籍していた頃の音源である1st「lounge lizards」が狂気と緊迫感があっておすすめです。
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話は逸れますがlounge lizardsがブランド名の由来だと思われる、ドメスティックブランドのlounge lizardは残念ながら2018awを持って休止してしまいました…
ジャズをファッションに取り入れるには
個人的に考えるジャズファッションを考えてみます。
やはりクラシカルなスーツにタイドアップしたスタイルが定番ですが、リアルクローズとしてはあまり現実的ではない。
なので参考画像にあげたジュンヤのルックのように、タイドアップにジャケットを羽織ってボトムスはデニムといったスタイルもありかと思います。

http://www.team-lens.com/heartstrings/2013/october/2013_1021.html
要はジャズ的な要素のあるファッションはアメリカントラッド、特にアイビー・ルックから来ているので、スーツスタイル以外で手っ取り早くジャズを取り入れるにはアイビー・ルックを参考にするのが良さそうです。
以上です。
知れば知るほどに、調べれば調べるほどに奥が深いファッションと音楽。
本ブログでは今後も少しづつではありますが、その関係性を紐解いていきたいと思います。
Wearing, Listening, Writing
by Mr. Tambourine Man

気づけば40代。
ファッション、音楽、暮らしについて書いています。
古着、革靴、ユーロヴィンテージ、少し古いドメブラ。
流行を追うより、長く付き合えるものが好き。
音楽は洋邦問わず、90年代のシューゲイザーやインディーロックを良く聴きます。
車社会でも無理なく着られる服や、
肩肘張らない大人のスタイルを模索中。
ブログで紹介したアイテムを中心に、楽天ROOMにもまとめています。





コメント
コメント一覧 (2件)
エディのセリーヌデビューコレクションはやはりファッション界に論争をもたらしましたね。
個人的には彼自身のスタイルを貫く姿勢が顕著に現れており、今後彼の影響でファッション界がどう変化していくのか楽しみにさせてくれるようなコレクションでした。やはり彼は一線を画す別格のデザイナーだと思います。
音楽とファッションは切っても切れない関係ですよね。特に今回のテーマであるジャズはコレクションに取り入れるブランドも多く、今後より注目されていくように思います。ストリートブームの終わりが予感される今、私もクラシック回帰が起こる事を期待している一人です。
コメントありがとうございます。
賛否両論ありましたが、個人的にはエディ・スリマンの美意識へのブレない信念を感じることができた説得力のあるコレクションだったと思います。
そういう意味では、彼の打ち出すスタイルはモードからクラシックへとなりつつあるのかもしれませんね。
音楽とファッションはモッズのように当時の世相や流行から影響を受けているものもあれば、グランジファッションのように一人のカリスマによって作られるものもあって、知れば知るほど面白いですね。
クラシック回帰は今後十分にありそうですよね。
ジャズマンのようなスタイルではないにしても、タックインやタイドアップなどの正統派な着こなしはもう少し一般化しても良いと思っています。