ガイアの夜明け:「Made in Japanの闇」について考える




先日、ガイアの夜明けで「Made in japanの闇」という特集が放送され、ちょっとした話題になっています。

内容をざっくりいうと、Made in japanを売りにしているアパレルメーカーの孫請け会社が外国人技能実習生という名目で日本に出稼ぎに来ている外国人(主にベトナムや中国などの途上国)を雇い時給400円という薄給で働かせていたというもの。

しかも賃金は全て払われることなく、給与の未払いまであるという。

どうやらすでに問題のアパレルメーカーも特定されているようです。

しかし、この問題は一つの企業だけでなく、いずれアパレル業界全体に波及するような気がします。

Made in Japanはもう付加価値になり得ない

ユニクロやH &Mなどのファストファッションが好調な今、デザインやプロダクトに絶対的な自信と価値のないブランドとしては生き残りをかけるため苦慮しているのではないでしょうか。

その中で生まれた戦略の一つがMade in japanの品質としての信頼性を付加価値として利用した販売方法なのでしょう。

「日本製は品質が良い」というのは私たちの共通認識となっていますが、今後少なくともアパレルに関しては考え直す必要があるかと思います。

私の好きなブランドでもある吉田カバンが掲げている、「一針入魂」という言葉があるんですが、言い得て妙だなあとつくづく思います。

良質なプロダクトにはまさに魂が宿るものだと考えているので。

職人が誇りを持って作った物と、素人に毛が生えたような実習生が、自分の境遇に納得いかないまま嫌々作らされている物では、製品としての魅力に差が生じるのは明らかです。

話は逸れますが、吉田カバンの製品はリュックやガジェットのケースなどを日常的に愛用しています。

そしてそのどれもが耐久性としての問題で寿命を迎えたものは無いので、良い物作りをしているブランドだと思います。

生産国表示の基準について

今回は日本の縫製工場で外国人実習生が賃金未払いのまま過酷な労働をさせられていたというところに問題があるのですが、調べてみるとアパレルの生産国表示の基準って意外と緩いようです。

一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会が打ち出しているアパレル業界における原産国表示マニュアルによると、原産国表示をするには、生地作りから裁断・縫製・加工など全ての工程をその国で行う必要がある訳ではなく、基本的に縫製(ニットの場合、編立)を行なった国がその商品の原産国となるとのこと。

つまり中国で中国人が生地を作り裁断をした物を、日本の工場でベトナム人の実習生が縫製していても、日本製と表示できると言うことになる。これは極論でしょうが。

別に法律に違反している訳では無いので咎めることはできませんが、もしMade in japanを売りにしているブランドがこの様なことをしていたら、本質的では無いですし、消費者を裏切る様な行為ですよね。

今回問題になったメーカーは大々的に日本製を売りにしている訳では無いようですが、タグに大きくMade in japanと書いてあるのを見ると、裏側を知ってしまった今、消費者としては良い気持ちはしないでしょう。

消費者は生産国にこだわらず、良い物を見分ける審美眼を身に付けなければいけない

アパレルの製品って仮に生産国が分からなくても、「目で見て触って試着する」といったプロセスで品質の良し悪しが比較的分かり易いものだと思いますし、そもそも品質って一定の水準をクリアしていれば、基本的にデザインやシルエットの好みの問題にもなりますよね。

ただやはり良い物を手に入れたいなら、最低限の審美眼を身につけて、相応のお金を出す必要があるのは間違い無いと思います。

古着を探せばECWCSパーカーとか、物によってはリーズナブルにハイスペックなアイテムを手に入れられますが、知識と古着屋を回る時間の投資が必要ですね。

安くて高品質な服であるユニクロ

例外的に安くて高品質な服の代表といえばユニクロでしょう。ユニクロが安くて高品質である仕組みとしては、

1.SPA方式で企画・生産・販売を自社で行っている。

2.海外の工場で日本人が現場監督をすることで安定した品質管理ができる。

3.大量発注をかけることで、ロットあたりのコストを抑えることができる。

4.大量生産による職人の技術が熟練し品質も向上する。

といった理由があるようです。ただこれは大量生産品の宿命と言えるかもしれませんが、ユニクロの商品に魂やオーラは感じないですね。人並みに好きですけどね、ユニクロ。

セレオリの立ち位置について

同じようなSPA方式を取っているアパレルとして、STUDIOUSやBEAMSなどのセレクトショップオリジナルの商品がありますが、こちらはユニクロに対して圧倒的にロット数が少ないため、ユニクロのようなコストパフォーマンスはあまり期待できません。

セレオリの立ち位置としては価格・品質・デザイン共に、ファストと一般的に高品質な服を作っているドメスティックブランドの中間といって良いと思います。

簡単に表すと

価格 ユニクロ<セレオリ<ドメブラ

品質 ユニクロ≒セレオリ<ドメブラ

デザイン ユニクロ<セレオリ<ドメブラ

といった様にどのフェイズでも中途半端な存在になることが多いと思います。印象としては、デザインをよりトレンドに寄せ、価格アップしたユニクロといった感じでしょうか。

個人的にはセレオリのアイテムに関してはあまり手を出すことは無いですが、「服に執着する程こだわりはないけど、全身ユニクロは嫌だし流行の物を着たい」という層も一定数あるので、需要があるのは頷けます。

審美眼と時間がある人にとって古着は魅力的

例外としては古着ですが、人が着たものに抵抗がなければ利用しない手はないですよね。ヴィンテージではないブランド古着などでも、人が着古して初めて分かる魅力ってあると思いますし。

以上から、審美眼と服選びに時間と労力を割くことのできる人にとって古着は魅力的だと思います。

アパレル不況はこれからも続きそう

一昔前と比べてスマホやPCなど生活(ほぼ)必需品の出費も増え、マスにおける服にお金をかける割合は今後も減少するでしょう。

今回の騒動を機に、本質的ではない阿漕な商売をしているアパレルメーカーは淘汰されるか、経営方針を見直して欲しいものです。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください