2020年11月号の雑誌2ndでもヨーロッパ特集が組まれるなど、スポット的なトレンドとしてユーロビンテージ熱が益々高まって来ているのではないでしょうか。
そのユーロビンテージの象徴的なアイテム(素材)の一つであるモールスキン。
元々はフランス人の作業着として古くから愛用されていたアイテムで、アメリカでいうデニムに相当する生地と言われています。
特にブラックモールスキンは人気があって、デッドストックだと5万円前後〜取引されている印象で、今後相場が下がることはなさそう。
一消費者としては枯渇・高騰のリスクを考えると、ファッション業界がユーロ一辺倒にならないことを祈るばかりです。
そんなモールスキンのアイテムですがこの度、行きつけのビンテージショップにて、スペシャルなモールスキンのセットアップを購入したので、着下ろす前の備忘録として記事にします。
目次
グリーンモールスキンのセットアップ
特筆すべきはとても珍しいグリーンカラーのモールスキン。
私もユーロビンテージに関してにわかの域を出ていませんが、この色を目にしたのは初めて。
グリーンのモールスキンというだけでも珍しいのに、フラッシャー付きのデッドストック、しかも上下同メーカーのセットアップというスペシャルなアイテムとなっています。
サイズは44なのでSサイズ相当と小さめではありますが、肩幅はジャスト、身幅・袖丈は少しゆとりのある申し分のないサイズ感でした。
オーバーオールの方も44と同サイズなのも良いですね。
では早速、ディテールを見ていきましょう。
カラーはグリーンというよりビリジアンといった方がしっくり来るかも。
アウターはGジャンのように着丈の短いブルゾンタイプで、ボトムスはオーバーオール!
2020年は何故かオーバーオールがトレンドらしいですが、個人的には大好きなアイテム。
残念ながらオーバーオールの方はフラッシャーが外れてしまったので乗せているだけ。
現在では考えられない、ホッチキスで服に直接留められたフラッシャー。
片方はギャランティのようで、翻訳するとどうやらこの服は8ヶ月保証となっているらしい笑
突っ込みどころはあるが、外してしまうのは惜しい。
メーカーのタグ。
オーバーオールはテーパードの効いた綺麗なワイドシルエット。
アメリカのオーバーオールだとズドンとしたシルエットの物が多い(それはそれで格好良い)ので、ここは流石フレンチワークといった所。
こちらにもイケてるフラッシャーが付いている(いた)。
ビンテージの重みを感じる、滅茶苦茶硬いバックル。
何度もベルトの位置調整をしていると頑丈なモールスキンといえど生地がやられそう。
モールスキンの生地感について
雑誌2nd 2020年11月号にてOutilディレクターの宇多さんのインタビューがあり、モールスキンの年代別特徴が述べられていたので、ざっくりとご紹介します。
30年代頃までのモールスキンは縫製技術の問題で、高密度で光沢はあるが薄い生地。
40年代は細い糸を無理やり打ち込んで厚みを持たせていたため、光沢があって厚い生地。
50年代以降は太い糸を使って厚みを持たせた生地とのこと。
購入したセットアップは50年代頃の物ということですが、分厚く光沢のあるモールスキンの生地感的には40年代もあり得そうな気がしています。
モールスキンのセットアップでのコーディネートを考える
出自がワークウェアなので、コーディネートはいかに作業着感をなくすかを意識したいですね。
レギュラーカラーのフランネルシャツにタイドアップで。
これで革靴履いておけばかなりイケてるが、気合入れすぎで着用機会は限られるか。
数年前に高円寺のChartで購入したビンテージディオールのネクタイもようやく日の目を見れそう。
ビリジアンにはオフホワイトとバーガンディがよく似合う。
ユニクロのノーカラーフランネルシャツと合わせても良い感じ(関係ないがユーロビンテージにはボタンダウンシャツは合わない気がする)。
この場合、オーバーオールのベルトは垂らしてシャツの裾は出して着用したい。
かなりヨーロピアンな着こなしになるが、手持ちの靴で合わせるならジャランスリワヤのフレンチローファーが良いか。
以上です。
若干予算オーバーでしたが、久々に心が震える服に出会えた気がします。
ビンテージの世界は本当に沼だ。
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